腰椎疾患

1.腰痛で体を動かすのがつらい

 腰痛の7~8割は、腰の筋肉の痛みです。そして、症状によって痛む筋肉の部分が異なります。代表的な症状は

1)立ち上がる時痛む
2)腰を反らすと痛む
3)前かがみで痛む
4)立っているとだんだん重だるくなる

 それぞれ、痛みの原因となる筋肉が違います。その原因となる部位に正確にブロック注射をすると劇的に良くなります。特にぎっくり腰には効果てきめんで、すぐに動けるようになります。
 注射をしたくない人は、消炎鎮痛剤を利用しながら体を動かしてゆけば、時間はかかりますが良くなります。

 ただし、注射が効果ない場合には次のような場合が考えられます。

1)腰椎の圧迫骨折
2)椎間板ヘルニアの初期症状

 この場合は検査をして、それに対応した治療が必要です。

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2.おしりから太ももの裏にかけて痛む

 この症状は主に2つの原因が考えられます。

1)腰部脊柱管狭窄症
2)股関節周囲の筋肉の痛み

 症状の様子は多少異なり、1)は、たいてい左右両側に起こります。じっとしていると痛くないが、しばらく立っていたり、数分歩いていると起こることが多いです。症状の程度により適切な治療法を選ぶ必要があります。
 2)では、寝返りしたり立ち上がるといった動作で痛みますが、たいてい片側に起こります。薬と適切な運動で改善しない場合、ブロック注射でかなり改善しますが、注射の効果が少ない場合は腰椎の神経が関係する可能性があります。その場合はMRI検査などで原因を確かめて、それに応じた治療を行います。

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3.下肢がしびれる

 下肢のシビレの多くは、下記の疾患によるものです。

1)腰椎椎間板ヘルニア
2)腰部脊柱管狭窄症

 障害を受けている神経により、シビレの部位が異なります。最近は神経痛の薬も色々でていますが、痛みは楽になってもシビレはなかなかとれません。神経ブロックや手術もある程度有効ですが、その人の病状によって効果は異なり、完全にシビレを消すことは難しいのです。
 とは言っても、シビレが強くて生活に支障が出ている場合は、いちど当院にご相談下さい。最善策を見つけます。

(参考)脳卒中、頚髄症、循環障害、帯状疱疹(ヘルペス)などでも、下肢の痛みやシビレがでることがありますので、勝手に判断せずに診察を受けるようにしてください。

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4.腰の手術に迷っている

 腰椎椎間板ヘルニアあるいは腰部脊柱管狭窄症と診断され、手術を勧められて迷っている人も多いと思います。たしかに、MRIなどで異常が見つかると手術を勧める病院は多いと思います。しかし、本当に必要な手術かどうか、その判断に必要な事を示します。

1)腰痛だけであれば手術をする必要はないし、手術しても治らない。(椎体骨折など、一部を除く)
2)画像で異常があっても、必ずしも手術する必要はない。
3)痛みが強くても、薬やブロック注射で改善する場合がある。待てる。

 次のような場合は手術を検討したほうが良いでしょう。

1)椎間板ヘルニアの痛みで仕事ができない状態
2)腰部脊柱管狭窄症の保存的治療をしても、休まずに5分以上歩けない場合

 一方、次のような場合はなるべく早く手術をすべきです。

1)下肢に麻痺や筋力低下が起こってきている場合
2)膀胱直腸障害が生じた場合(おしっこがでにくい、便秘がひどい など)

 もちろん、これ以外に手術をしなければならない理由はあり得ますので、担当医から納得いくまで説明を聞いてください。

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